ナイスショットは“ルーティン”で決まる

〜打つ前の心を整えるゴルフ習慣〜
ナイスショットが打てるかどうかは、実はスイングそのものよりも、打つ前の“心の整え方”で決まります。ちょっと意外に思われるかもしれませんが、たくさんのゴルファーを見てきて、このことはとても強く感じています。
なぜなら、打つ前の「迷い」「焦り」「緊張」「不安」などが、そのままスイングに乗ってしまうからです。逆に、心を整えた状態でショットに向かうことができれば、自分の技術を最大限に発揮できるのです。
この「打つ前に心を整えるための流れ」のことを、ゴルフの世界では「プレショットルーティン」と呼ぶことがあります。
ただ、難しく考える必要はありません。ようは「自分が落ち着いてショットに入れる準備の流れ」のこと。ここでは、あえて「ルーティン」という言葉で、わかりやすくお伝えしていきます。
迷いが出ると、スイングがブレる
ゴルフは止まっているボールを打つスポーツです。だからこそ、心の状態がそのままショットに現れやすいのです。
「右に行きそう」「池が気になる」「前もここで失敗した」
こんな思考がぐるぐるしていると、体がわずかに緊張したり、リズムが崩れたりしてしまうんですね。そんな経験、皆様もしているのではないでしょうか。
そうなると、「やっぱりミスした…」という結果になりやすくなってしまいます。
この悪循環を断ち切るためにこそ、「自分のルーティン」が必要なのです。
ルーティンは「心を整える習慣」
ルーティンは、毎回ショットの前に決まった手順や動作を行うことで、不安や迷いを静かに落ち着けて、心を「今ここ」に戻すための習慣です。
プロゴルファーが素振りを一定のリズムで行ったり、構える前に深呼吸したりするのもこの一環です。再現性のあるスイングをするためでもありますが、実はメンタルを安定させることこそにもつながります。
ルーティンがあることで
・考えすぎを防げる
・自分の「スイッチ」が入る
・不安よりも「やること」に集中できる
という良い状態をつくることができます。
【実践】ルーティンの作り方・4ステップ
では、実際にどうやって自分のルーティンを作ればいいのでしょうか?
以下に、誰でも取り組める4ステップをご紹介します。
◆ステップ1:今の自分の流れを思い出す
まずは、普段自分がどんなふうにショットに入っているかを確認してみましょう。
・ ボールの後ろに立ってから、どんな順番で動いていますか
・素振りは何回?
・ 呼吸は浅くなっていませんか?
一度書き出してみると、自分のクセやばらつきに気づくはずです。
◆ステップ2:調子が良かったときの流れを思い出す
「今日は調子が良かったな」と思える日の自分を思い出してみてください。
そのとき、どんな動きや意識の置き方をしていたか?ヒントはそこにあります。
・深呼吸をした
・ターゲットをしっかり見た
・静かに集中できていた
この「自分を落ち着かせてくれた要素」を選んで取り入れましょう。
◆ステップ3:ルーティンを固定する
あれこれ考えすぎると逆に不安になります。ルーティンはシンプルに、毎回同じ流れにすることが大切です。
たとえば:
1. ターゲットを見てからクラブを握る
2. 深呼吸を1回
3. 素振りを1回
4. 「ナイスショット」と唱える
5. 構えて一呼吸してから打つ
このように5つ以内のステップで構成すると、習慣化しやすくなります。
◆ステップ4:練習で何度も繰り返す
ルーティンは「本番のため」にあるものですが、本番だけで身につけるのは難しいです。むしろ、本番の時だけやろうとすると、ルーティンをすることに意識がいってしまい、肝心のショットが崩れてしまいます。だからこそ、普段の練習でしっかり身につけることが大切なのです。ただ打つ練習ではなく、毎回のルーティンから丁寧に始める練習を意識してみてください。
まとめ「打つ前の3秒」がゴルフを変える
ナイスショットのカギは、技術だけではありません。たった3秒のルーティンが、スイングの安定感をぐっと高めてくれます。そしてそれは、メンタル面にも深く関わっているのです。
特に、プレッシャーがかかる場面では技術よりも「心の整え方」が結果を左右します。
「いつも通り」の自分で打つために、ルーティンは最高の武器であり、安定したスイングを生む土台となります。そのためには、自分だけのルーティンをつくり、それを練習の中で繰り返すことがとても大切です。
インドアゴルフは、集中しやすく環境も安定しているので、ルーティンを身につけるのに最適な場所です。さらに、技術コーチのレッスンを受けることで、ルーティンと技術のバランスを調整し、より実戦的に磨いていくことができます。「打つ前の心の準備」が整えば、あなたのナイスショットの確率は、きっとグッと上がりますよ。
